夏練.16

 

 19夜叉ヶ池.5

      

 この夜叉ヶ池、大会自体が玄人受けするレジェンドたちが集まる歴史のある大会なのだ。第一日本で最も気温の上がる地域でその真夏にあるしかも本格的な登山をコースに取り入れているので、清く正しいランナーには向かない。私もKIZENさんお誘いがなかったら出場することはなかっただろう。また大会主催者としては、危険の伴う熱暑のロード、滑落の危険のある登山をコースにする勇気はわたしにはない。出場者はそれを危険を承知で出て面白がっているのである。今回4年連続4回目のわたしはこのレースにはまってしまった。正直エイドは立ち寄るところ同じメニューで閉口するのだがふんだんに氷を用意している。熱暑の時はご馳走はいらぬ。何より体を冷やすものがご馳走なのだ。それが毎エイドに用意してある。この山奥にあれだけの氷を用意するのも苦労を伴うものと思う。また初日ゴール後には手作り温泉を用意してくれている。ただ軽トラにの荷台に湯船にしてそれを柄杓でかぶるだけなのだが、それがまたいい。綺麗好きなランナーには堪え難いかもしれないが、高くもない参加費でここまでしてくれているのは、この大会主催者の真心なのだろう。わたしにとっては真夏日のゆらゆら陽炎沸き立つ暑熱のロードレースは決して嫌いではない。また風花吹きすさぶ厳寒の冷たい深夜の寒いレースも趣がある。何よりこの夜叉ヶ池は数少ない完走の可能性のある大会なので、来年こそ登山道を入れたフル完走を目指したい。