秋練.12

 

 

 北海道マラソン.5

 

   関門のバス乗る人の眼差しは窓の遠くの無彩の雲に

 

  関門にひっかかった言い訳もくどくどしたくもないので収容バスの風景。

 皆、行儀がいい。うなだれ気味ではあるがフルマラソンではウルトラの長距離の関門失格模様とは違い、短距離で強制的に諦めさせられるので、ほとんどの人がウルトラほどの疲労困憊ではない。でも満員の収容バスの中の選手たちは程度の差こそあれ失意の底なのである。私は疲れもさほどなくバス乗る前にコンビニで買ったチューハイを飲みながらバスの座席に着いたが、皆一言も発しない。またウルトラのようにすぐに眠りこけることもない。その情景は私にとってすごく新鮮だった。ああ、フルマラソンのリタイヤ風景ってこんなんなんだ、と思いながらそれぞれの走力の中でフルという時間との勝負をレースにかける選手の真摯さを感じた。やはりフルマラソンはランレースの原点なのだ。だから毎年どこかのフルのレースに出続けることが大切な事なのだと改めて思ったりする。

 運営の方から観察してみると35キロの関門では約20台のバスが連ねられていてそうれはもう壮観でもある。まずその運営の手際の良さは見事という他ない。それぞれのスタッフは的確に働いていて選手たちをテキパキ捌き、時系列で大会を進行させていく。さすが老舗の大会ではある。