2022秋練.27

 

 

 

  

      完走を夢見る人のこころねは

          健気なるかな美くしきかな        

 

  ウルトラマラソンにハマり出した25年以上前、ウェルネスの富士五湖の大会に出た折り、山中湖を一周して河口湖のレストについた時に会話した選手が印象に残っている。「私はね、ウルトラのレースに何十回も出ているが、まだ一度も完走したことがないんだよね。やめたい時にやめるんだ。ここの富士桜が満開だからここで花見で止めるよ。」と缶ビールを飲み出した。まだウルトラの経験が浅い自分には結構衝撃的だった。こういう楽しみ方のあるんだ、と妙に感心しウルトラマラソンの価値観にもいろいろあるんだな~とも思った。そして現在長崎でウルトラの大会を開催している主催者としての大会ポリシーは、必ず完走したい、という人のみ参加していただきたいということだ。完走してこそ見えてくる景色というものが必ずあるのだ。大会は完走しないと意味がないとその後の経験から固く思っています。当大会は320kmもの長大なコース上に有志が二晩の徹夜状態で最後まであなたを完走させんとエイドで待っているのだ。選手にとっては決して安くはない参加料を支払い、そのもてなしを受けることなく途中でやめてしまう、そんな持ったないことになっていいのか。だからこの大会は全員を完走させたいのだ。

 さて、第二の完走要件。できる限り小浜中継所で横になること。できるなら90分ほどが望ましいのではないか?これは疲労と睡眠学の理論のレム睡眠ノンレム睡眠の項で読んだことがある。ただ個人差があるので、一概には言えない。ただ最低でも30分は横になるかどうかで、ふつ~のランナーでは後半の体の覚醒度合いが違うのは確実です。だからハイパーダブルは仮眠がとれるようにスタート時間を早くしている。ただしこれは途中仮眠の必要のないほんの一握りのスーパーランナーには当てはまらない。その方達は逆にスタート遅らせたりしている。第二の要件は必ず少しの時間でも横になること。寝れなくても横になれただけでも精神的な安心感があるものです。第三は・・・続く。

 

 *写真は途中休憩所の南本町公民館。熊本の上野先生のブログからお借りしました。

   (女子選手とハイパー一部男子は和多屋さんが途中休憩所になります。)