2022秋練.30

 

 

 

 

 

    ねんねんに語り尽くせぬ物語

           打たれてもなお打たれにまたも

 

 なぜ選手はこの過酷で厳しいこの大会に来会するのだろう。これは一度このような大会に出ればその魅力というか魔力に吸い込まれていくのだろうか。出場するたびに昆虫や爬虫類が脱皮するように体力や精神力が新しい細胞として増していくのだろうか。若いうちは自分の可能性の頂点がまだまだ先だという目標となる希望も欣求し、年老いてもなおピーク時の残像を諦観の中に追う楽しみもあるのだろうか。

  さて、選手を迎える側に立ってみる。選手の身になっていろんなことを考える。思いついてある選手が喜ぶであろう方法をやってみようということになる。が、大会を支えている現地実行部隊の人々は溜まったものではないのですよ。一挙に自分の負担が増してくる。負担が増すというのは安全性が低下し身の危険が及ぶということであるのだ。この大会はどんなレベルの選手にとって平等にエイドで饗応を受ける権利、完走する権利を持ってもらおうとしている。そのことをとってもスタッフたちは大変な労力を強いられているのです。そんなスタッフたちが17年も支え続けてくれているのですよ。これは奇跡だと心底思っています。選手と違って自分が完走するわけでもないのに、暗くきつい眠い仕事を毎年毎回やってくださるのだろう。私は確固たる理由は恥ずかしながら未だかってわからないのである。

     一将なって万骨枯る

 これは私ではないですよ。私は一将と言えるほど優れた人間ではないです。この一将はたぶん・・・マラソンの神様のことではないかと思っている。

人間の優しさと真心が権化しているのではないかと思っています。選手で一度出場したら次は今度はスタッフになって、人のやりたがらない業務を今度は私がする番だ、と思う人がこの大会を支えてくれているのですよ。選手になったことがない人もこのような業務が楽しいと言ってくださるのは本当に感謝に耐えません。

 さて5の要件。最後で最長の雲仙への国道57号のぼり13kmだ。前置きが長くなったので次回にします。

 

 *この写真のゼッケンの語りかけがすごい。もう6年も前の熊本の山名さんのものです。