2022秋練.31

 

 

 

     金龍を名乗らむ坂の秋深し

            

              秋深し=晩秋の季語

 

 

  さて、第五の完走要件は・・・。水無大橋までの下り急坂を走れたら次は雲仙温泉までの長~い登りだ。もし午前9時から10時前までに深江運動場エイドにつけばここからは歩いても完走できる。13km登り行程を4時間かけてもいい。しかし10時以降に深江エイドに到着するとこの登りは走らねば間に合わない。ここまで辿り着いた選手はほぼ全員が覚醒してる。睡魔の地獄を通り抜けていよいよ未知なる自分の知らない自分と出会う場所となる。この坂は走れる。この坂は走って登るのだ。当然疲労困憊しているだろう。けれど疲労困憊の体はここからはなぜか別次元の自分の体になっているはずだ。走る意志がさえあればきっとこの坂は走れるのだ。そして走っている自分に驚愕し、そして走れている自分の凄さに感動することになるのだ。もちろん息が続かないだろう。工夫をして走れ。電柱間インターバルやよし。次々現れる坂道のコーナーのインターバルもよし。繰り返すのだ。もう走れないという今までの弱気な自分はこのステージで霧散することになる。そして250kmもの距離を経て最後のこの坂道を登って走っているあなたは、今までのあなたではなくなっているのだ。

 

 *写真は長い坂の終点の宝原橋(ほうばるばし)。 小浜スタートから 84km     H301.1km   W257.4km